2026-01-01から1年間の記事一覧
3月の海。太平洋の冷たい水と、逃げられない「摩擦」のリアル。プロサーファーとの出会いから、音楽、人間関係、そして「海底のない」SNSの空虚さへ。エンタメ性を排し、届かない痛みと逃げられない関係の中にしか育たないものを、無表情な筆致で書き留めた…
波を待つ時間は、何もしない時間ではない。サーファーが波を生み出すことができないように、創作にも「凪」の時がある。焦燥感の中にいる表現者へ贈る、波待ちと表現の共通点、そして「共に在ること」についての短いエッセイ。
「ステレオ=広がり」と信じる音楽家にとって、「ステレオタイプ=固定観念」という言葉の響きはどうにも馴染めなかったんです。
AIを「便利な質問箱」だと思っているなら、とっくにアルゴリズムの罠にハマっている。生成AIが抱える「ネットの平均値」という凡庸なバイアスを逆手に取り、意図的なハックを試みた対話ログ。AIを歪んだ鏡にするか、自分の知性の鏡にするか。
カーゴ・カルト(積荷信仰)と現代の音楽制作。二つの儀式を重ねて描く「事象」と「形骸」の物語。竹のアンテナを向ける部族と、デジタルの祭壇でノイズを刻む男が、静かな夜明けに見た真実とは。
現代のアニメやラノベに蔓延する「俺様絶対」の病。バリア貫通の応酬に明け暮れる二人の作家と、ジャンケンを覚えた子供たちの対比。物語が「記号の餌」と化した現状を冷徹に解剖する、メタ構造のショートショートと皮肉な設定資料集【付録:ぶっ壊れ設定集…
石川啄木は「借金と裏垢」の天才?教科書が美化する文豪たちの、愛すべき人格破綻エピソードを徹底解説。太宰治、宮沢賢治、夏目漱石から、清少納言や柿本人麻呂まで。「作品は神、人間はクズ」な怪物たちを独自の視点で斬る、肩の凝らない文豪エッセイ。
「タイパ至上主義」を自称するフリーランスの田中勉。彼が訪れたのは、意識高い系が絶賛する洋食店の『スマート・ランチ』だった。効率を突き詰めた先に待っていたのは?合理性という名の虚栄心に縛られた現代人の末路を描く、痛烈な短編小説。
今週のお題「スープ」らしい。 ◆スープという名の「旅」 さて、何から書こうかと思ったけれど、今朝飲んだカップスープの話は、ここではしない。 それは単なる空腹の処理であって、僕の記憶をどこかへ連れて行ってくれるものではないからだ。 ◇記憶の中の液…
夜空に、黄金色の光が点滅していた。 少女は無邪気に歌う。 「ほ、ほ、ほたるこい……」 だが、その光の正体は、全長数キロにも及ぶ優美な宇宙遊覧船団だった。 彼らは地球の周回軌道上で停止し、重厚なメッセージを送信してきた。 『契約受諾。貴星の代表個体…
">父に連れられ、物心ついた頃から海辺にいた。サーファーだった父の背中を見て育ち、僕が板の上に立ったのは10歳の時だ。 ">初めてのテイクオフ、自然界のエネルギーに触れたような感覚。それは歳月で劣化しない源泉として、今も僕の体の芯に静かに残って…
音作りで一番楽なのは、「こうすれば良いという、誰かに与えられた公約数」という安易なレールに乗ること。 機材やプラグインは、そうやって使うと一番楽だ。 だけど、それは音との対話、ひいては自分との対話を放棄していることと同義だと感じる。 その事実…
◆今週のお題「冬の楽しみ」 これは書きやすい。 あれこれとネタはあるのですが、今更「スノボやってます」なんて書いても、「それがどうした」感が強いでしょう。 そこで今回は、少し奇妙な楽しみを紹介することにしました。 冬と言えば乾燥。 乾燥と言えば……
竹宮です。 本日より、SFミステリー『救済』シリーズ完結編―― 『救済 御言葉』の連載を開始しました。 初日は「第一章(全九編)」を一挙公開。 その後は毎日一編ずつ、読みやすい区切りでお届けします。 毎日23時の更新となり、最終章は全話一気公開の予…
電子の張り見世 ――現代吉原寓話 一、大門を潜る その場所は、外界と高い塀で仕切られた「夜のない街」だった。 大門を潜れば、そこは甘い香と、華やかな三味線の音が絶えない世界。 人々は現実の苦みや、誰かに否定される痛みを忘れるために、その郭(くるわ…
今週のお題は「馬」らしい。 記憶の引き出しを開けてみたんだけど、中身は驚くほど空っぽだ。 多くの人が共有していそうな、競馬の熱狂も、乗馬体験の優雅さも、牧場での触れ合いの記憶も、僕にはまったくない。 最近あった「馬」との接点といえば、アニメの…
ベリーティーとICBM 近未来。 人々は「承認欲求」を満たすためだけに生きていた。 だが皮肉なことに、彼らはすでに他者を承認するための文章を書く能力も、他者の長文を読む忍耐力さえも失っていた。 そこで開発されたのが、「全自動相互承認システム(ジェ…
あの何もない駅の豊かさ 古いJRの駅。 夏の夕暮れに、一台のバイクが滑り込む。 男はTシャツを脱ぐと、水道でジャバジャバと洗い始めた。 上半身裸のまま、ベンチの背に濡れたシャツを引っかけると、彼は濡れた前髪をぐっとかき上げ、深く、そして満足げに息…