最初に「ステレオタイプ」という言葉を聞いたとき、意味が分からず途方に暮れました。 「ステロタイプ」が「ステレオタイプ」に変化したのか? 言葉の意味を気にするタイプには、どうにも馴染めない音だったんです。
◇ 拡張と固定のパラドックス
音楽をやる僕からしてみれば、ステレオこそは音の広がりそのものなのです。 左右のスピーカーから放たれる、あのLRのダイナミズム。
それがなぜ「固定観念」という、全く脈絡のない意味になるのか。 当時はどうしても納得できませんでした……。
あのときの引っかかりは、今でも色あせない生理的な違和感として残っています。 そこへ「語源はどっちもギリシャ語のstereos(固い)だよ」なんて突っ込まれると、もう最悪です。
僕自身が「ステレオ=広がり」という、文字通りのステレオタイプじゃないか! という、最高に皮肉な構造。 これがどうにも鬱陶しくて、余計に嫌いな言葉になってしまいました(笑)